移民の街で働いています

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このブログの左側の「アクセスが多い記事」に、ときどき「ロンドンは移民の街なんだね」が入っているのがとても意外で。もしもご興味ある方が多いなら続編を書いてみようかなと思いまして。

今の事業所で働くスタッフの構成は前の記事から1年経った今もほとんど変わらないかな。業績が良くなってきたからか、結構がんばってくれる社員さんが新しく入ってくれて頼もしい限り。ネパール出身でドバイでしばらく働いた後イギリスに来た彼は、渋滞で交通機関に遅れが出ることが多いロンドンなのに一度も遅刻したことがないし、考え方が日本人ととっても近いなーと思う。タイ出身で高校からフランスに来た彼はすっごいエレガントなんだけど、お茶目で笑顔がかわいい。

最近はアルバイトさんや社員さんの採用にも関わっているんだけれど。アルバイトさんは連絡無しのドタキャンが非常に多いね。そして、あとあとになって「あの日は妹が怪我をして病院に運ばれたので」とか「故郷の母が病気になったので急遽帰国することになったんです」なーんて言って、あらためてチャンスをくださいって人が多くてビックリする。なにかというと家族が病気になったり怪我をする。それが本当だとしても、連絡無しにキャンセルしておいて悪びれることなくまた連絡してくる、そのポジティブさ?は見習いたいと思う。

あと、今年の夏、こんな↓街なかに新しい事業所を開くことになりました。昨年末ぐらいから物件のリースや、内装工事や、もろもろの手配で、社外の人とのやり取りが増えたので。
新事業所1
そちらを中心に書いてみます。

今回借りた物件は、その物件を使う権利(リース)を前の借り主から買いました。これから20年使わせていただく権利。大家さんは、そのまた大家さんであるハワード・ドゥ・ウォールデン・エステート・リミテッドから175年間この物件を使う権利を買っているらしい。

ハワード・ドゥ・ウォールデンというのはここらへん一帯の土地を所有する貴族の名家で。この記事によると↓なんと(推定)資産4840億円なんだってさー。ひぃぃぃ。

(この記事で3番目に出てくる貴族)

これからは、だいずたちもこの富豪貴族に多額の年貢(家賃)を上納するために(直接払うわけじゃないけどね)、これまで以上にヒイコラ働くことになりますですよ。。。これ、まさにイギリスらしい話だなーと思う。前から居る人や外国から来たオカネモチが不動産を持っていて。そこに流れてきた多くの移民が借家やシェアハウスに住んでヒイコラ働き家賃を払います。貧富の差絶大!

このリース売買契約で、大家さんの代理として出てきた女性は。まとってる空気や着てる服がキャサリン妃みたいで。週末は馬を連れて郊外で乗馬でもしてそうな人。物件を探しているときも大家側から出てくるのは大体こういう雰囲気でだいずの周りにはいないタイプ。出身を聞く機会はなかったけれど、こういう不動産関係のオシゴトに携わっているのはいいとこのお嬢さんに違いない。

前の借り主は、たしかロシア系。この物件の工事を始める直前に、共同経営者に資金を持ち逃げされたんだとか。国外に逃げられちゃったらもう捕まえられないのかな。ホントにあるのね、こういうドラマや映画みたいな話。

物件の売買契約は必ず弁護士を通すことになっていて。今回お願いした弁護士さんはロシア出身。まだこちらに来て日が浅そうな若い女性。ちょっとロシア語訛りがあって、だいずは法律で使うような単語に馴染みがないのもあり聞き取るのが大変だったー。時間外や休暇中もメールの返事をくれたりして頑張ってくれました。

イギリスは地震がほとんどないから。ものすごく古いビルも中身だけ改装して使い続けられます。今回の物件も外側は相当古くて。中は今はこんな感じ。
新事業所2
内装の設計をしてくれるのは、イラン人男性。ぜんぜん訛りがないからイギリス生まれなのかと思ってたんだけど、イギリスに来て12年なんだって。「まかせておけ」とか頼もしいことを言う割には、うまく行かなくなったときに自分の非を認めない。というかヒトのせいにする。人間味あふれすぎ!(これ、こっちでよく見かけるパターン) でもこのプロジェクトのために毎日遅くまで働いてくれるバイタリティ溢れる人。どこで鍛えてるのか結構筋肉質で弾力ありそうなムッチリボディ。自宅に筋トレ用のマシンとか置いてそうな、こっちでガツガツ自力で成功をつかんだ人っぽいイメージ。

おどろくのは、隣りや上の階の配線や下水管がなぜかウチの物件内を走っていたり。ウチの下水管が他の物件の中を走っていたり。グッチャグチャなの。たまたま今、隣りも上も工事中なので。借り主同士話し合いをして、費用は負担するからあなたの物件に通っているウチのパイプを違う場所に移動させてくれない?とか、ウチに入ってるあなたの配線がジャマだから天井裏に移動させてもらえないかとか、交換条件を出したりして工事を進めるの。その交渉はイラン人設計士さんがしてくれたので助かりました。

ここのリース権を買った後になって、上の階をインド人のオカネモチが借りてナイトクラブを開くことになったことが発覚したのね。ナイトクラブっていってもいろんなのがあるけど、営業時間が朝8時~翌朝3時とかで。大音響を流してインド映画のようにみんなで歌い踊る場所になるとしたら、ウチの事業所は朝から晩までドスドス揺れちゃうんじゃないかと心配してたんだけれど。

防音設備の設置がうまく行かないとか役所から許可が下りないとかで、今は工事中断しちゃってるらしいよ、結局。あんな家賃の高い場所で工事中断とか恐ろしすぎる。オカネモチだから大丈夫なのかな。。。ヒトゴトながら震えるわー。

事業所に入れる機材の設計をしてくれるエンジニアはイギリス人。このプロジェクトのなかで(大家関係者をのぞいて)唯一のイギリス人はマイペースすぎて、約束通りに見積もりや書類をくれなくて困ります。携帯に電話しても忙しければ出てくれないしコールバックもないよ。

施工は日系の会社に頼んでいて、担当者は相当稼いでるにちがいなく愛車は真っ赤なフェラーリ。毎日相当忙しく働いている様子。実際に工事に来てくれる人たちはポーランド人が多いみたい。ヨーロッパのなかでも国によって建物を建てる技術は違うらしい。5月から工事が始まるのだけれど短い工期で完成できるよう現地に泊まり込んで働いてくれるらしい。働き者たち。

っていう。いまはこんな人たちに協力してもらいながらオシゴトしてますよ。

だいずは、こっちの友達に笑われちゃうぐらいの薄給なんだけれど。毎日まいにち、馬車馬みたいに働けど働けど、ぜんぜん仕事が終わらないけれど。自分のお金だけでは到底できないようなことを、会社のお金を使って経験させてもらってる。

分からないことだらけで、分かってる人と比べたらきっと無駄に時間がかかりすぎてるかもしれないけれど、今までやったことがないことを経験させてもらってる。しかも、ロンドンで。社員じゃないからだいずは責任とかプレッシャーとかそういうものはほとんどないし(もちろんオットはあるんだと思うけれど)、社会経験させてもらってるような気分でいるよ。

そうはいっても実際のシゴトは地味で面倒くさくて。やれやれと思うことだらけだけれど、気分だけは前向きです。今のところはね。口ではブーブー文句ばっかり言ってるけどね。

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