存在が尊すぎる 近所の鰻屋さんに今月2回も行ってしまった

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今月末までの期限の金券が何枚か残っていて。それを使わせてもらえるお店を探していて見つけた鰻屋さんに行ってみたの。

近所っていっても、最寄り駅からけっこう歩くし、ウチからだと全部歩いていったら片道40分ぐらいかかる場所。この辺に住んでる知り合いでのいない限り、このお店に行くこと以外に、このあたりに出かける可能性は皆無。

グーグルマップでの評価は高くて。ただコメントの書き込みは少な目。「注文を受けてから土鍋でゴハンを炊くので、予約していくのがオススメ」って書き込みがあったので、事前に電話で予約してから行ったのね。

1回目は夜に。


住宅地のなかにぽつんとある鰻屋さん。

とても古いけど、味ある店内。


お店に入って、店主さんがご高齢であること(たぶんウチの母と同じぐらいじゃないかしら)に驚いた。とはいえ、まあ、ウチの母もそうだけど、声にハリがあって。お話する声を聴いただけだと、そんなお年を召してるようには感じないのね。

お話も楽しくて。出前もご自身でされてるそうで。

もう、生涯現役で行くんだろうか、すごいなーって。やっぱりなにかしらお仕事を続けてることが若さを保つ秘訣なんだろうかね。

いただいたのは、うな重の竹、3900円(税込み)。


ゴハンの量は、予約の時じゃなくて、席に着いてから聞かれて。オットは多め、だいずは普通盛でお願いして。

いただきましたよ、うな重!


だいずのは蓋が乗ってきましたけど、奥のオットのはお重のなかはゴハンでいっぱいで、鰻はお重の高さよりも上にあるので蓋は無しだったかな。

これがね、すっごい美味しかったんだ。今まで食べた鰻のなかで一番と思う。

一口目は、都心の有名店で出てきたような鰻と比べると身が薄いかなーって感じたんだけども。それはぜんぜん問題じゃなくて。身がトロトロで。口の中で溶けていくような鰻なの。臭みも全くなくて、鮮度がよいんだろうね。

肝吸いはサービスで、って出してくださった。


すっごい大きな肝。まあ、肝だからね、肝のニオイはあるけど、でもすごく食べやすい。

食べかけ写真、あまり美しくなくて申し訳ないけども↓


米粒のほぼ全部にタレの色が付いてるから、味が濃いめなのかなーって第一印象なのだけど。食べてみるとぜんぜんしょっぱくなくて、タレの味がとても良くて。サラサラっと入っていくの。タレかけただけのゴハンでもイケる。米粒が小さくて、粘りが少なくて。沢山食べても食後にオナカのなかで膨れたりもたれたりする感じが全くない。どう炊いたらこんな風に仕上がるんだろう?

鰻も米も、ほぼ飲めるの。飲めるうな重!

オットのなんて、鰻と白米の量的バランスが偏っていて、鰻が足りない感じになりそうじゃない? でもそんなことは全くなくて、タレが美味しいのでぜんぜん不足感はないってオットが申しておりました。昔はオカネモチだった家庭でイイもの食べて育ったオットが、食べ始めてすぐに「米がうまい」とつぶやいたからね。だいずのバアイは気分的に盛り上がってると美味しさが倍増しちゃって、2回目に落ち着いて食べてみたらそうでもなかった、みたいに盛り下がることがたまにあるけども。オットから「おいしい」が出るとは、間違いなく美味しいんですよ。

岸朝子さんの「おいしゅうございます」と同じ。(たとえが古い)

お店からウチに帰る間も、ウチに帰ってからしばらくも、ずっと、いただいたうな重のどんなところが美味しかったか、次はいつ頃行こうか、みたいな話をして(というか、だいずが興奮して話すのを、オットがうんうん、と聞いていた)、うな重の余韻に浸ったワレワレ夫婦。

金券がね、もう1回行けるぐらいは余っていたので。1週間後に今度はランチでお邪魔してしまった。

2回目も電話で竹2つを予約。電話で名前を伝えたら「あれ?先日いらした?」って驚かれてしまったよ。月に2回も鰻をいただくなんて、やりすぎたかな。

で、2回目も初回と同じすばらしいうな重でした。


ゴハンが美味しいことを知ってしまったので、だいずもゴハンちょっと多めにしてもらったし。オット(奥)のゴハンの盛りに注目。大盛、が、初回よりもさらにゴハンが高く盛られてるの、漫画に出てくる山盛りゴハンみたいで笑ってしまったわ。

素材が美味しいのもあるんだろうけども、注文ごとにゴハンを炊いてくれたり、そういう手間をかけて下さってるひとつひとつの積み重ねが全体の美味しさを作っているんだろうね。奇をてらわず、映えとかそういう変な小細工は一切なしの、美味しい食材を美味しく仕上げたお料理。

もう引退してのんびり暮らすことを選んでも問題ないお年ごろなはずの店主さんが、こうして手間をかけて美味しい鰻を出してくださる。そのことに感謝の気持ちでいっぱいだ。ネット上の評価が高いけれど語りが少ないのも今となっては共感するばかり。わたしは、どうこう評価する立場にはなく、出されたものをありがたく食すのみ、っていう心境になるの。ネットの口コミ、初訪問前に雰囲気を覗うのには参考になってありがたいけど、最近は度を越えた、お前ナニサマだよって言いたくなる評論家みたいな口コミ書いちゃう勘違いな人が散見されるのが残念だし、読んでいて気分が悪くなるし。ああいう人たちには絶対にこのお店に近づいてほしくない。



それにしても。こういうゴハンが食べれる場所、これからどんどん減っていくんだろうなぁ、って。なんかすごく危機感のようなものを感じてしまった。

大きなチェーンが大量に仕入れて、工程を効率化することでコストを抑えて、ビックリするぐらいお手軽な価格でいろんなものを食べれるようになったの、それはそれでありがたいことだけれども。

ちゃんと作られたものが存在してこその、簡易お手軽版だと思うんだよな。

お寿司や鰻や、これまでは技術が必要でキビシイ修行をして成り立っていたようなところで働くの嫌がる若者が多いようだし。だんだん、こういうお店は無くなっていくのかな。

お寿司だって遠い昔は屋台で出されてたものだったというし。世の中の移り変わりに合わせてどんどん形を変えていくのは、仕方のないことなのかもしれないけれど。チェーンばかりの世の中になるのは、資本主義のようでいて実態は共産・社会主義な世の中になっていくようで怖いし。昭和の経済成長のなかで磨き上げられていった食の文化が、効率化でそぎ落とされていくの、文化的に貧しくなっていくように思えてならない。

なるべく個々のお店を応援するようにしていかなければな、という気持ちがムクムクと湧いてきて。今月はそんなことばかりをグルグルと考えておりました。

とにかく、ここのお食事は最高だし。このお店に伺うキッカケをくれたあの金券には感謝しかない。金券ないとなかなか行けないけど、また行きたい。

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